漫画レビュー

【美味しんぼ】牛なべの味

美味しんぼを読んでみたいけど
「巻数が多すぎて読むのに時間がかかりすぎる」と
お悩みの方は多いのではないでしょうか。

そんな令和な人におすすめなのが、
本ブログの美味しんぼまとめです。

各回のまとめを覚えれば時間短縮はもちろん、
日常生活でするりと美味しんぼの名言を
活用することが可能になります。
もっと効率よく美味しんぼから蘊蓄を吸収したい方や、
大昔に美味しんぼを読んで記憶を取り戻したい方は
ぜひ参考にしてください。

今日覚えたい美味しんぼ


スキヤキとシャブシャブは研究不であること

シャブスキーには赤身肉が似合うこと

息子の成長に雄山も喜んでしまうこと

要点は抑えましたね、さあ行きましょう。

物語冒頭

今回は東西新聞社の会食ですきやき回です。
来賓がアフリカからの賓客とのことで
海外でも有名なスキヤキを振る舞います。

しかし、スキヤキの味付けがイマイチなことか、
栗田・山岡からも微妙な評価を下されます。
そんな折、なんと隣の部屋に同じように
スキヤキに酷評する男の声が聞こえてきます。
その男、海原雄山。
ちょっと切り抜きだけだど
急にオネエ口調っぽいですがいつもの雄山です。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻6話より

スキヤキ、シャブシャブ 料理の完成度

海原雄山はスキヤキを酷評し、
牛肉の旨味を活かしきれていないその調理法に
苦言を呈します。

煮過ぎた牛肉を卵に絡めて食べることで
肉の風味は失せてしまう。

牛肉を活かしきれていない料理だとダメ出しです。
それならば、と
スキヤキの代わりにシャブシャブを提供する店側。

しかし雄山の前ではシャブシャブも同じ扱いでした。
シャブシャブも熱湯に薄い牛肉をくぐらせるだけで
旨味がすべて湯に逃げてしまい、
極めつけが合わせのタレが肉の風味を消す采配。
基本的に間違った調理法だと酷評します。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻6話より

そして最後にスキヤキとシャブシャブは
何十年もの間、進化を止めた料理であると
店を後にするのでした。

ハンコと権利書だけは旅に出しちゃいけない

台風一過、海原雄山が去った店では
別の問題が勃発していました。

なんとこの店、料理の不勉強もさることながら
店を先代から騙して継承し相続問題を暗に抱えた
店であることがわかりました。

先代の息子は見識を広げる名目で世界中を旅する中、
先代がボケてしまいそのまま
現オーナーが譲渡書類にハンコを押させてしまったことが
発端の様子。
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻6話より
先代の息子はなんとか店を取り戻すことに
躍起となっていますが、
しかし山岡はそれを良しとしないと答えます。

なぜなら山岡自身、
海原雄山と同様にスキヤキとシャブシャブの未来を
訝しんでいました。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻6話より
そこで山岡は先代の息子に、
自前の店を盛り立てるための一つとして、
自分が考えているシャブスキーを
参考にしてくれないかと提案します。
魯山人風すきやきを発展させたシャブスキーとは一体・・・。

シャブスキーでしゃぶすき界隈に一石を投じる

シャブスキーを伝授した山岡、
さらに今回は美食倶楽部の主任中川まで駆使し、
海原雄山をシャブスキーの踏み台にすべく
店に呼び出すことに成功します。

シャブスキーとは・・・
まずは鍋に出汁を張り、
野菜類も同じ高さに揃えるところから始まる。
ここまでは魯山人風スキヤキと同様・・と
雄山は語りだします。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻6話より

そして肉を出汁で軽くくぐらせる程度で食すというもの。
しかしシャブスキーはさらにそこから
秘密のタレにつけて食べるという進化系でした。

これには海原雄山も絶賛します。
沸騰させない出汁で肉に火を入れ旨味を引き出す
完璧な火の通し方。

スキヤキのように割り下で風味を殺すわけでもなく、
シャブシャブのように熱湯で旨味を逃すわけでもない
全く別の調理法であるこのシャブスキー。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻6話より

そして極め付きがタレです。
魯山人風スキヤキにはないこのタレ。
梅干を隠しに煮詰めたこの秘伝のタレの製造には
以前良三を打ち負かした雄山の舌でも
製法を見破ることはできませんでした。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻6話より

なるほどなるほど・・・感嘆しっぱなしの海原雄山ですが
この料理法に行き着いた真意を店主に問う。
やはり話ができすぎている、
海原雄山はこの料理の後ろには
山岡士郎が潜んでいることを見抜きます。

その後、美食俱楽部に戻った海原雄山は晩酌の際に
「士郎のやつ・・・」とまんざらでもない顔をします。

海原雄山のデレ回である今作ですが、
これは山岡士郎が自分と同じ
シャブシャブとスキヤキへの問題提起の感覚に対しての笑みか、
自分の舌を唸らせるまでに成長したことによる笑みか
いずれにせよ根底では子供の成長を喜ぶ
父親の姿が垣間見れる回でした。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻6話より
「雄山、いい顔するじゃないか」

あ、ちなみに話はすっかり忘れられていますが
件のシャブスキーで無事奪われた店を取り返すのはまた別の話・・・。