漫画レビュー

【美味しんぼ】もてなしの心

美味しんぼを読んでみたいけど
「巻数が多すぎて読むのに時間がかかりすぎる」と
お悩みの方は多いのではないでしょうか。

そんな令和な人におすすめなのが、
本ブログの美味しんぼまとめです。

各回のまとめを覚えれば時間短縮はもちろん、
日常生活でするりと美味しんぼの名言を
活用することが可能になります。
もっと効率よく美味しんぼから蘊蓄を吸収したい方や、
大昔に美味しんぼを読んで記憶を取り戻したい方は
ぜひ参考にしてください。

今日覚えたい美味しんぼ


どんなに火加減に気を配っても米粒の大きさが
不揃いでは微妙なムラができること

シジミのみそ汁も粒をそろえることによって
煮え方にムラがなくなること

美食を芸術の域まで高める条件は、
唯一人の心を感動させること

要点は抑えましたね、さあ行きましょう。

物語冒頭

山岡の師匠、唐人先生が再婚をする。
そんなビッグニュースを手土産に東西新聞社を
訪れた唐人
先生と妻の領子。


披露宴に招待され、
当然のように海原雄山と遭遇するというところから
物語は始まります。

各界の名士や縁者たちの集まる披露宴、
そこにはかつて海原雄山の元で釜炊きを担当していた
本村と山岡は偶然にも再開し当時を懐かしみます。
今は唐人先生のもとで窯番をやっている様子。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻8話より

うまい米とみそ汁の炊き方

話変わって唐人先生より、
新婦の領子へメシの基本を教えてほしいと依頼されます。
メシの基本、と聞き山岡は
飯の炊き方とみそ汁の作り方ですか、と回答します。
しかしその言葉に噛みつく一人の男がいました。
そう、何を隠そう海原雄山がその人です。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻8話より

本村の流儀

喧嘩を売られた山岡。
披露宴から一転、米とみそ汁対決へと場面は変わります。
雄山は釜炊きの本村を呼びつけ、
15年ほど前に雄山をもてなした
あの米とみそ汁を作れと指示します。
あのときの米とみそ汁とは一体・・・。

一旦、披露宴を終え家路の途中、
山岡はいい米とみそ汁の条件を口にします。
「飯について言うなら条件はいい米、
丁寧なとぎ方、いい水、使う釜、火加減、
蒸らし加減に尽きる」

「みそ汁についてなら、
いい味噌、いい水、いい出汁、
仕上げの温度に気を付ければいい」

しかしこの回答に栗田は、
あの海原雄山が言うには何かほかにも条件があるのでは、
と提示しますが山岡は聞く耳をもたず
本番を迎えることになります。

対決当日、
山岡が出したのは前述した条件から
導き出した米とみそ汁です。

これには参加者も見事な出来だと称賛します。
しかし、次に本村が出した米とみそ汁は
その更に上をいくものでした。


出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻8話より

この違いは何か、と問われる山岡。
それに対し山岡は材料の差だ、
全て最高のものを集められたことによって
出た差だと言いますが、海原雄山はその回答に呆れ、
本村の仕事を見せてやると息巻きます。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻8話より

なんと本村は、
材料ではなく火加減のムラを均一にするため、
米とシジミの大きさを事前に取り分け
均一にしていました。

これは15年前、
海原雄山を家に招待した際に
貧乏人がどうしたらもてなすことができるかを
考えた末のまごころの料理でした。

美食と芸術の違いとは

最後に雄山は、
山岡に対し料理とは人の心を感動させてのみ、
唯一芸術になりえる学問であることを伝え、
現状の山岡の姿勢を断罪します。


出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻8話より
これを親心とみるか、こき下ろしとみるか・・・。
山岡は以降、熱心にしていた競馬を辞め
ここから心境が徐々に変化していく回となりました。