漫画レビュー

【美味しんぼ】板前の条件

美味しんぼを読んでみたいけど
「巻数が多すぎて読むのに時間がかかりすぎる」と
お悩みの方は多いのではないでしょうか。

そんな令和な人におすすめなのが、
本ブログの美味しんぼまとめです。

各回のまとめを覚えれば時間短縮はもちろん、
日常生活でするりと美味しんぼの名言を
活用することが可能になります。
もっと効率よく美味しんぼから蘊蓄を吸収したい方や、
大昔に美味しんぼを読んで記憶を取り戻したい方は
ぜひ参考にしてください。

今日覚えたい美味しんぼ


岡星には板前の弟がいること

喫煙者は料理人になってはいけないこと

海原雄山を試す真似をすると認められること

要点は抑えましたね、さあ行きましょう。

物語冒頭

今回は有名な海原雄山の名言
「この洗いを作ったのは誰だ!」回です。

以前、ルノワールの絵画を京都の大富豪京極さんから
借り受けた山岡たち東西新聞社一行。
久々に京極さんが東京へということで、
岡星へ会食に招待します。

そこで山岡たちは岡星の主人の弟 良三と出会います。
話を聞くと良三はつい先日まで
海原雄山の美食倶楽部にて料理人をしていたものの、
追い出された過去を話します。

良三の回想がはじまります。
あるとき良三は海原雄山の夕食を任されることになり、
その日の調理を担当します。

途中まで首尾よく進んだものの、
余りにもうまくいきすぎている状況に手が震えだし、
スズキを捌くことができなくなり、
一度調理場を後にします。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
4巻7話より

この洗いを作ったのは誰だ

数分後、何事もなかったかのように
肝の据わった良三が帰ってきました。

落ち着いた様子でスズキの洗いを捌きあげ
海原雄山へ提供する良三。
が、すぐに地鳴りのような足音が調理場へ
向かってくることに気づく職人たち、
次の瞬間・・・・


出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
4巻7話より

そこには激怒した海原雄山、
有無を言わさず良三の作った洗いを地面へ投げつけ、
その場で良三のクビを宣告します。

事の顛末を話した岡星とその弟、良三。
そこで京極さんは原因を知るため、
ここにいる山岡に味を見てもらうのが
一番の近道だと提案します。
なぜなら、山岡はあの海原雄山の息子であるから・・。
その事実を知るや顔面蒼白になる良三。
どうやら肩書に弱い良三。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
4巻7話より

喫煙者に人権ならぬ包丁を持つ権利はない

一度、洗い場を離れる良三。
しかし帰って来るや否やまたこの顔です。
先ほどの狼狽した顔つきとは違い、
明鏡止水の域に達した顔で洗い場へ帰ってきます。
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
4巻7話より

そのまま、スズキの洗いを提供する良三。
しかし、山岡は一口つけるや
良三の問題点を一発で見抜きます。

そう、それは洗いに付着したタバコの匂いでした。
良三は洗い場を後にしてすぐに気持ちを落ち着けるために
タバコを吸いに行っていたのです。

山岡はタバコが料理に与える影響や
味覚嗅覚への弊害を説明し、
タバコを吸うなら料理人の道は
諦めたほうがいいと告げます。
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
4巻7話より

原因がわかったことで、
良三は禁煙を誓い山岡の計らいで
美食倶楽部の主任中川を仲介し、
海原雄山を良三の料理を認めてもらうことで
復職することを計画します。

試される海原雄山という器

京極さんも仕掛け人として美食倶楽部を訪ね、
海原雄山との会食に臨みます。
そこで当日のメニューに良三の渾身の作を試食という形で提供します。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
4巻7話より

メニューは雄山も食したことのない
中華春雨を膜状に薄く作った突き出しです。

良三はタバコの臭いを見切った雄山に対して
かすかな芳香を放つ渾身の料理で雄山を逆に試します。
「この海原雄山を試そうというのかっ!」

火が付いた雄山、勇ましく調理場へ向かいます。
そしてまた、
調理場へ聞こえてくる地鳴りのような足音・・・

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
4巻7話より

良三に対しこのわずかな香りの正体、
答え合わせ開始です。

海原雄山はこの香りが木の実を酒に漬けたことによって
染み出る微小な香りであることを突き止めました。
しかしその木の実がなんなのか・・
木苺ではない、
すぐりでもないサクランボでもない、
コケモモでもない・・・・・

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
4巻7話より

見事、海原雄山 
木の実が桑の実であることをはじき出しました。
この海原雄山を試すとはいい度胸をした若者だ。
褒めて遣わす、と言いたいところですが
良三の顔に見覚えのある雄山。
雄山はタバコで首にした良三のことを覚えていましたが、
この料理の出来で復職を許可します。

後に雄山は良三の兄が腕のいい職人であることを知り、
岡星を訪ねるも
そこには山岡含め東西新聞社のメンバー一同の姿。
そこで雄山は今回の復職の一件に
山岡士郎が裏で手を引いていることを知り、
最後に納得の笑みで帰路につきます。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
4巻7話より

全てを理解した雄山 何かを納得し岐路に立つ
雄山の器の大きさと
山岡に対しての愛情が垣間見れる回です。