漫画レビュー

【美味しんぼ】味噌の仕込み

美味しんぼを読んでみたいけど
「巻数が多すぎて読むのに時間がかかりすぎる」と
お悩みの方は多いのではないでしょうか。

そんな令和な人におすすめなのが、
本ブログの美味しんぼまとめです。

各回のまとめを覚えれば時間短縮はもちろん、
日常生活でするりと美味しんぼの名言を
活用することが可能になります。
もっと効率よく美味しんぼから蘊蓄を吸収したい方や、
大昔に美味しんぼを読んで記憶を取り戻したい方は
ぜひ参考にしてください。

今日覚えたい美味しんぼ


権利問題は事業における優先課題であること

味噌は熟成なくして保存食となりえないこと

美味しんぼにかかれば大企業に勝ち目はないこと

要点は抑えましたね、さあ行きましょう。

物語冒頭

今回は栗田ゆうこの祖母が過去に教師をやっていたという
衝撃の事実が明らかになるところからはじまり、
夏の休暇を教え子の村で過ごすという展開です。

招かれた君島家は代々味噌を作っている味噌蔵でした。
しかし、なにやら問題を抱えている様子。
元々、「元祖田舎みそ」という商標で
製品製造をしていたものの、
大資本の大手メーカーに商標登録無効の裁判をおこされ、
今や売り上げもがた落ちという状況に陥っているとのこと。

昔の教え子の現状に怒り、たまよ 動きます。
すかさず地元で県会議員をやっているという
教え子を呼び出し事情を説明。
半ば強引に県知事に現状を知ってもらうべく、
工場視察を画策します。
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻1話より

そして裏で手を引いていたたまよ、
ついに県知事の視察を取り付けることに成功します。
あとは現場のプレゼン力に
会社の進退はかけられることとなります。

この視察の結果如何で何かしらの支援を得られることを
期待するばかりです。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻1話より

県知事へのプレゼン

視察はまず大手味噌メーカーの工場から。
こちらは大企業の資本力を活かした
安定的な清潔・大量生産をアピールです。

技術の進歩に県知事もご満悦。


出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻1話より


次に君島家の味噌工場。
伝統重視の手作業をアピールします。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻1話より

いやはや、本で見るだけでも
味噌の工程の重労働さには頭が下がります。

初めて味噌を作った人はどういう頭をしているのか
非常に気になります。

それはいいとして、
県知事の質問は大手メーカの技術導入による
大量生産・時間削減の努力に対し、
伝統工程だけでは進歩がないと
切り捨てる展開となります。
県知事、伝統工程にピンときていない様子・・・

伝統の維持と技術革新の進歩と

やはり県知事たるもの限りある税金の利用用途を
最終決裁する立場、

なまなかなことでは首を縦に振りません。

それどころか最終的な製造物が同じであるなら
なぜ先進技術を取り入れる努力がないのかと
切り捨てます。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻1話より
もはや行政の支援を受けることはかなわないのか・・・
大手メーカーと伝統製法工場の2社の視察が終わった後、
食事会の場面へと切り替わります。
おおよそ予想はついていたものの、
県知事は大手メーカーを絶賛する展開に向かいます。

御託が長い奴には味覚でわからせる

しかし、ここからが我ら山岡 
今の今まで大人しくしていたものの
しっかり牙を研いでいました。

案の定、県知事は最新技術を取り入れた
大企業への支援を決定することを食事会で宣言します。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻1話より

男、山岡 動きます。
おもむろに季節外れと分かりながらも鯉こくを提供します。
鯉こくを食す県知事、最初の一杯はどうにも口に合わず、
こんなものかと箸を下ろすところ、
もう一杯と山岡は促します。

するとさきほどの鯉こくとの違いに
県知事は表情の変化を隠せません。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻1話より

山岡はこの味の違いは大手メーカーの味噌と
君島家の味噌で作ったものだと言います。

一番の理由は原料にあり、
そもそもの熟成が足りないことにより
本来の保存食という条件を満たせていないという
点にも言及します。
そして何より化学調味料と合成保存料の混ぜ合わせに
よる違いは歴然であることを頭の固い県知事に舌をもって
わからせました。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻1話より

これに県知事は先ほどの工場視察の前言を撤回。
技術革新というまやかしに本来の味、
そして伝統文化を軽んじることを認識したと謝罪します。
そしてこの伝統文化を守るべく、
県としてできるだけのバックアップ支援を
惜しまないことも約束します。

美味しんぼではおなじみ、
大手メーカによる巨大資本の大量生産に対しての
伝統工法対決でした。

毎回、このパターンでは大手メーカが何かしら
ディスられて終わるのですが、
味を追求する点と日本全国に供給責任がある
大手メーカではそもそもゴールが違うということだけは
読者の皆さん誤解なきように・・・。