漫画レビュー

【美味しんぼ】スパイスの秘密

美味しんぼを読んでみたいけど
「巻数が多すぎて読むのに時間がかかりすぎる」と
お悩みの方は多いのではないでしょうか。

そんな令和な人におすすめなのが、
本ブログの美味しんぼまとめです。

各回のまとめを覚えれば時間短縮はもちろん、
日常生活でするりと美味しんぼの名言を
活用することが可能になります。
もっと効率よく美味しんぼから蘊蓄を吸収したい方や、
大昔に美味しんぼを読んで記憶を取り戻したい方は
ぜひ参考にしてください。

今日覚えたい美味しんぼ


記憶をなくしても体は技術を覚えていること

記憶は匂いと密接な関係があること

愛の為には嘘も必要であること

要点は抑えましたね、さあ行きましょう。

物語冒頭

今回は日本の国民食であるカレー回です。
意外にも5巻になって
初めてカレーを題材にした内容となります。

冒頭は鬼の中松のいる警察署に一人の記憶を失った男が
連行されてくるところから始まります。

毎度、中松警部が出るときは
サスペンスよろしくの導入です。

男は料理人の制服を着たまま、銀座を彷徨っていた模様。
そこで中松警部は、この男の素性を公開するため
東西新聞社の山岡と栗田に新聞への掲載を
頼めないかと打診します。

ほんとプライバシーの概念が存在しない
昭和らしい捜索方法です。

山岡はこれを了承するも、
ひとつ本人が持っていた一枚の紙きれに気づきます。

見たところ暗号のような記載と、
そして微かに香るカレーの匂い・・・。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻4話より

悲しい過去を持つ女

数日後、新聞掲載のおかげもあってか、
男の妻を名乗る女が現れました。
しかし、男は妻の顔をみても記憶が蘇ることはなく、
また新たに記憶を戻す方法を模索します。

妻を名乗る女性、
この女性には後ろ暗い過去がありました。

突然、そのことを語りだします。
彼女は、料理人の男と結婚する前に
ヤクザに手籠めにされ夜の商売を強要されていた
過去があることを吐露します。

そこから逃げ出し5年前に出会った今の夫と
レストラン経営をしている中、
偶然にもそのときのヤクザと出くわし
居場所を知られてしまったこと。

そして夫の帰宅時に
ヤクザと夫がもみ合いになり玄関から落下、
夫はその流れで記憶喪失になってしまったことを
激白したのでした。


出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻4話より
「美味しんぼ屈指の胸糞回」

これまでの過去を知られたくなかった女性は、
いっそこのまま記憶が蘇らなくても・・・と
複雑な心境を語りますが、
それでもせっかく苦労して自分の店をもった
主人のために記憶を取り戻しまたカレーの情熱を
取り戻してほしいことを山岡へ懇願します。

包丁を持てば、体が覚えてる

やってみましょう、山岡がそう告げると
実際に自分の店でカレーを作ってみようと提案します。
久々の厨房に立つ男、試しに玉ねぎを切ってみたところ、
鮮やかな手並みで玉ねぎを処理していく。

記憶は欠けていても技術の領域に欠けは見られません。
そして山岡はここで例の暗号文を出します。
なんと山岡は既にこの暗号の解読を完了していました。
暗号の内容は香辛料の配合だったのです。
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻4話より

スパイスが鼻腔から記憶を呼び起こす

ついに自分が何者であるかを突き止める瞬間・・・

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻4話より

しかし、自分自身のことを思い出しても
事件当時の記憶がどうしても出てこない。

なぜ自分が記憶喪失になったのか・・・
階段を駆け上がり自分の部屋の前までは記憶があるのに、
そこからは警察署まで記憶が飛ぶ・・・

男は妻に自分がそこからどうなったかを問いますが、
栗田がファインプレイでそこに妻はいなかったことを告げ、
ヤクザとの記憶は一切なかったことに成功します。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻4話より

物語はハッピーエンドを迎えようとする中、
話はここで終わりません。

実は男は既にその時の記憶も蘇っていたこと、
そしてどうすれば妻の過去とトラウマを処理できるかを
あの場で瞬時に判断し一芝居打ったのです。

男の中の男すぎるカレー屋・・・・。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
5巻4話より

北斗の拳に出てくるラオウの言葉に
誰を愛そうがどんなに汚れようがかまわぬ
最後にこのラオウの横におればよい!!

という名言がありますが
この男もまさに
ラオウの精神性に到達していると言えるでしょう。