漫画レビュー

【美味しんぼ】直火の威力

美味しんぼを読んでみたいけど
「巻数が多すぎて読むのに時間がかかりすぎる」と
お悩みの方は多いのではないでしょうか。

そんな令和な人におすすめなのが、
本ブログの美味しんぼまとめです。

各回のまとめを覚えれば時間短縮はもちろん、
日常生活でするりと美味しんぼの名言を
活用することが可能になります。
もっと効率よく美味しんぼから蘊蓄を吸収したい方や、
大昔に美味しんぼを読んで記憶を取り戻したい方は
ぜひ参考にしてください。

今日覚えたい美味しんぼ


中国では同郷同士では助け合うこと

中華料理では炎の主人に
なりきる必要があること

結婚とは一国一城の主になるということ

要点は抑えましたね、さあ行きましょう。

物語冒頭

今回は久々、周大人回です。
以前、中華街の豚バラ煮込みで
窮地を救ってくれた周大人。

今回、その夫人から呼び出しを受ける山岡と栗田。
大富豪の周ファミリーも、娘婿問題の渦中にいました。

話を聞くと、
大富豪の娘が使用人の料理人と駆け落ちして
家を出て行ったことを山岡たちに告げます。
夫人はこの関係を修復するために協力してほしいこと、
夫には内密にしてほしいことを山岡たちに依頼します。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
4巻1話より

コックとの駆け落ちの先

駆け落ちした娘は、
駆け落ちした男 王と共に場末の中華料理屋を
切り盛りしていました。
そこで腕前を確認する山岡、腕はいい。
しかし何一味足りないと言葉を漏らします。

山岡はおもむろに
「チャーハンを作ってくれ」と王にオーダー。
味を見るも、今一つだと本人の前で評します。

ここでネタばらし。
山岡と栗田は、周夫人に言われて視察にきたこと。
そして周夫人は関係を修復するために
味方であることを告げます。
身の上を話し出す周香玉と王。
私生活の会話からもわかる通り
王は使用人時代が抜けておらず、
駆け落ちしたパートナーに対してもお嬢様、
自分の義父にも旦那様と口をついて出てきます。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
4巻1話より

今回、中国のしきたりで
同郷の人間が有望な若者を支援するという
投資回に参加し、王は店を大きく心機一転を図るために
援助を募ることを考えていました。
昭和のマネーの虎ここにあり。
しかし、同郷会のメンバーには当然、
あの周大人も参加することを告げます。
そして料理の腕前を披露し、
全員から合格がでれば出資するというものです。
旨いものの前に肩書はありません。

この投資回を成功させるため、
周夫人は山岡を頼ったのです。
しかし、山岡はこの時点で既に投資回の成功に
何が足りていないかを見抜いているようでした。


出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
4巻1話より

問題は王の心の持ちようであることを
見抜いている山岡でしたが、
メンタルの問題は一長一短で
どうにかなるものではないことと、
王の料理自体一定の水準はあるため
周大人の個人的な思惑があるただけで
投資回自体は成功するのでは、とも考えます。
いずれにせよ、自分も投資回に出席させてほしいと
願い出ます。

中華版マネーの虎 開幕

投資回当日、前菜からメインまで滞りなく調理し、
一定の評価を得る王。
このまま問題なくフルコース満了するかといったところ、
やはり周大人も見抜いていました。
山岡と同じくチャーハンの調理を要求します。
チャーハンを作る王。
そして魔法が解ける王・・・・
中華料理の基本であるチャーハンがまったくできていない。これではピラフだと言い放ちます。


出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
4巻1話より

もはやこれまで・・・・と言うところ、
山岡は助け舟を差し出します。
そしてもう一度チャンスをくれる代わりに
次がダメだったら二人は完全に別れ、
香玉は周大人のもとへ帰ることを
二人の了承なしに取り付けます。
それに狼狽する王、
しかし山岡はここで人生の決断を迫ります。
アップルコンピュータの創業者スティーブジョブズが
当時ペプシの社長ジョンスカリーに放った言葉、
「一生砂糖水を売るか、世界を変えるか」に
通ずるところがあります。

王覚醒 炎の主人へ

そして山岡はチャーハンの極意を王に伝授します。
さきほどの王のズコ・・・ズコ・・・と
中華鍋を擦るようなチャーハンと違い、
山岡のチャーハンはズコッ!ズコッ! 
鍋と米が踊っていました。
山岡は王は炎の主人になり切れていないことが原因だ。
料理のテクニックの問題でなく、
使用人根性が料理に反映されてしまっていることを
指摘します。
誰がこれから嫁と子供を養っていくんだ、
お前だよ王!と言わんばかりの勢いです。


出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
4巻1話より

汗をかきながら鍋を振るう山岡、
強力な炎を操るには炎より強い心が必要だ、
もうあんたは使用人じゃない、
一国一城の主なんだぜ、と説得力十分に王に説きます。
社会人になってこんなメンターが上司にいれば・・・

修行の後、
改めて投資回メンバーにチャーハンを振る舞う王。
結果は・・・・、


出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
4巻1話より
王、男の顔になったやないか・・・

マネー成立による回答でした。
周大人…器がでかすぎる・・・
そして最後に、周大人からさらなる手の差し伸べ・・・
「婿どの・・・孫を見せてくれ」、と
家族問題まで和解に乗り出します。

どこまでも器の大きい男 周大人・・・。

紳士とは何かを見せつけさせられる回です。