漫画レビュー

【美味しんぼ】醤油の神秘

美味しんぼを読んでみたいけど
「巻数が多すぎて読むのに時間がかかりすぎる」と
お悩みの方は多いのではないでしょうか。

そんな令和な人におすすめなのが、
本ブログの美味しんぼまとめです。

各回のまとめを覚えれば時間短縮はもちろん、
日常生活でするりと美味しんぼの名言を
活用することが可能になります。
もっと効率よく美味しんぼから蘊蓄を吸収したい方や、
大昔に美味しんぼを読んで記憶を取り戻したい方は
ぜひ参考にしてください。


今日覚えたい美味しんぼ

昭和はナチュラルにセクハラが
許容されていた
こと

料理は化学という言葉では
割り切れないこと

醤油の製造は非常に手間がかかること

要点は抑えましたね、さあ行きましょう。

物語冒頭

今回は醤油せんべい回です。

東西新聞文化部のメンバー 花村が食欲もなく、
醤油せんべいを齧っているところから話ははじまります。

なんでも先日のスキー旅行で立ち往生したところを
好青年に助けられ、その人物に一目ぼれしてしまい、
食欲もロクにない。
 
唯一、青年が別れ際にくれた醤油せんべいと
品川ナンバーというのが痕跡の頼りでした。
 
せんべいを齧り、物思いにふける花村
 
それを我らが富井副部長、
 
「そんなことで一目ぼれをするのは婚期遅れの焦り」
と一笑に付し、
 
セクハラ全開100点満点お手本のような返しをします。
 
さすが昭和、昭和なら許されていたのか不明ですが
令和の今は一発退場です。

さすが東西新聞社 懐が深い。

富井副部長をいなし、
他メンバーは醤油せんべいの味を頼りに
東京中にある醤油せんべい屋を
一緒に回り、その青年を探すことを提案します。
 
しかし、せんべい屋とニッチなところであっても、
あの醤油せんべいの味にたどり着くのはなかなか
容易ではありません。
 
山岡はせんべいの味から何かを察しているのか、
醤油の醸造元の取材に一行を招待します。
 
せんべい屋を探しているのに醤油の醸造元とはいったい・・・。
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻5話より

伝統工法と最新科学の大量生産工法

東西新聞社一同は、千葉県は茂原、
樽吉醤油で工場見学を受けます。

そこでは大豆の仕込みから麹の熟成、
そして樽による発酵中も毎日かき混ぜる手間、
そして熟成最後は手絞りによる抽出と、

とんでもない工程を経て製造される食品であることを
目のあたりにします。

伝統工法の手間暇を一通り見た一行はこの後、
醤油の大手メーカーで工場見学に伺います。

そこでは先ほどの伝統工法とは一線を画す
完全コンピューティングによる自動制御で醤油が
作られていました。

栗田は驚きます。

先ほどの樽吉醤油では出荷まで最低2年半の工程が
必要と言われていたのに
大手メーカー責任者は技術力の高さを証明するかのように
業務効率化を雄弁に語ります。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻5話より

これが科学の力か・・・と唸らずにはいられません。

見学した2社の醤油をもって久々の岡星へ向かう一行、
そこで醤油の食べ比べを行ってみたところ、
醤油だけで味比べをした際はみな大きな違いを
感じられませんでしたが、
刺身で比べた場合の差は歴然でした。

さらにはせんべいをかきもちで再現して、
醤油で焼き上げて比べると、
片方の醤油はまるで花村が青年からもらった
せんべいのような風味です。

味の世界は
化学式で割り切れるものじゃない

山岡は味の違いについて説明します。

まず材料が違う。
伝統工法の醤油は麦と国産の大豆、
大手の醤油は油を搾った大豆を使っていること。

それには理由があり醤油づくりを化学で表現すると、
大豆のうまみはタンパク質成分が主であり油ではない。

そのため、油を抜いた大豆の搾りかすでも
同じ構成になるという理論です。

料理は化学といわれて久しいですが、

山岡はバッサリ
「味の世界は化学式で割り切れるものじゃない」と
名言を残します。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻5話より

さらに大量生産を実現するために、
かける時間を別の混合物で調整することにより
無理が出ることを指摘します。

ただここで誤解してほしくのないのは、
大手の大量生産が悪で伝統製法が善という
2極化で考えてはいけないところです。

美味しんぼはよくこのパターンに嵌めがちですが、
それは漫画として割り切って楽しむのが大人の嗜みです。

当然、これだけ人口が増えた日本に
リーズナブルで醤油を安定供給させる企業努力には
相当の研究費や労力、そして生産者がいることを
忘れてはいけません。

大量生産されている醤油の味もわかる 
伝統工法の醤油の味もわかる 

そういう大人になるのが最大目標ですね。

話は戻って、山岡は目的の青年はせんべい屋ではなく
伝統工法の醤油屋であるのではを推測します。

そしてこんな伝統的な工法で醤油を製造しているのは

日本ではもはや数少ないことから
既に目星をつけていることを伝えます。

場所はなんと、
和歌山県御坊市 醤油発祥の地と呼ばれる場所です。

探し人 現る

早速、和歌山は御坊の醤油屋を訪ねる東西新聞社一行。
 
そこにはなんとあのときの青年 
 
しかも同様にあのとき助けた女性が忘れられず、
恋の病にかかって仕事もロクにこなせない若旦那だと言います。
 
 
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻5話より

念願の再開を果たした花村と若旦那 
ハッピーエンドかとおもいきや・・・

やはりこの男はやってくれました。

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出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻5話より
東西新聞社文化部はアットホームな職場です。


ミスター富井副部長 

もう何を言っても令和では一発退場です。