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【美味しんぼ】料理のルール

美味しんぼを読んでみたいけど
「巻数が多すぎて読むのに時間がかかりすぎる」と
お悩みの方は多いのではないでしょうか。

そんな令和な人におすすめなのが、
本ブログの美味しんぼまとめです。

各回のまとめを覚えれば時間短縮はもちろん、
日常生活でするりと美味しんぼの名言を
活用することが可能になります。
もっと効率よく美味しんぼから蘊蓄を吸収したい方や、
大昔に美味しんぼを読んで記憶を取り戻したい方は
ぜひ参考にしてください。


今日覚えたい美味しんぼ

鴨の肉にはわさび醤油が合うこと

カツオの刺身にマヨネーズが合うこと

料理をリスペクトしていれば
無粋なソースを提案しないこと

要点は抑えましたね、さあ行きましょう。

物語冒頭

今回は、パリでその名をとどろかせる
一流高級レストラン「ル・キャナル」が
東京に支店を出した祝賀パーティーに
招待されるところから話は始まります。

一流料理店に招待されるということは、
各界の名士が招待されるわけです。

そう、招待される男となると今回はあの男の出番、
海原雄山でしょう。
 
これまでにも何度か遭遇している海原雄山と山岡。

前回の戦いでは、山岡の幻のサバで一泡吹かせた直後の回、
 
当然海原雄山の胸中おもしろくはありません。

しかしせっかくの来賓の席、
お互いにらみ合うだけでファーストコンタクトを済ませます。

そこからパーティは始まり、
数々のフランス料理が提供されます。

本来はフランス料理に舌鼓をうち、賛辞をなげる席のはず。

しかし今日の海原雄山は違いました。

なんと呼ばれた席にも関わらず
フランス料理のダメ出しを始めます。
 
過去にも何度かフランス料理の回を紹介してきましたが、

フランス料理人はフランスが世界一を自負するだけの
歴史・品格 
そしてなにより料理の完成度の高さは言うまでもないことは
これまで何度もお伝えしてきました
 
山岡も以前、肉のことはフランス人に敵わないと
ルビック氏に乾杯していたところですが、

海原雄山はフランス人は魚の食い方を知らぬと切り捨て、
更に畳みかけます。

そしてフランス料理のお家芸鴨料理 
それも鴨の血のソースを使ったローストを否定。
 
海原雄山、魚だけならまだしも肉の権威にも
喧嘩を吹っ掛けます。

おい、あれをと荷物持ちに出させたのは生わさびでした。
 
  
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻4話より

おもむろに生わさびをすりおろし、
来賓客に鴨の血のソースではなく、
わさび醤油で食べることを勧めます。

鴨の血のソースになじみのない日本人たち。

食べたことのない奥行きのあるソースに
新感覚を覚えるも、

やはり日本人の舌にはみそ汁と醤油です。

私も過去に仕事で東南アジアに
数か月滞在していたことはありますが、

滞在日数が増えてくると
やはり食べ物の味に何とも言えない感じを
覚えてきだします。

現地料理もうまい うまいが・・・という感覚です。

そんなとき、
私はとりあえずなんでも持参した
牡蠣醤油で凌いでましたので
この賓客の気持ちはよくわかります。

しかし問題は海原雄山です。

海原雄山は、フランス料理の伝統なんてこんなものよ、

わさび醤油に敵うソースがあるなら出してみよと
ばかりに煽り散らします。

今日のパーティの主題はなんなのか、
これが許されるのが海原雄山です。

しかししかし、
今日は唯一海原雄山に噛みつける男が会場に居ました。


出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻4話より

情けない連中だ、
血の味という日本料理の文化の枠には存在しない

新しい味を理解するせっかくのチャンスを
日本料理の枠に染める行為だ、

料理愛国主義だと日本人の感受性の狭さに
呆れを隠しません。

芸術の正解は常に一つ

海原雄山は、その山岡の返しに
日本料理の完成度の高さを説きます。

日本料理のは鴨のローストのように、
鴨の血のソースでもよければ
わさび醬油でもよいというようなあいまいさはない。

芸術の正解は常に一つということ力説。

売り言葉に買い言葉、
海原雄山は日本料理の完成度の高さを見せてやる、と
主催の食事会を開くことを提案します。

勝負の決め方は単純。

海原雄山が提供する日本料理を提供された方法以外で
美味い食べ方を提案することができれば山岡の勝利です。

マヨネーズをもってきてくれ

場所は変わって海原雄山主宰の料亭へ場面を移します。
 
集められた人選は海原雄山厳選の国際色豊かな面々。
 
雄山曰く、日本懐石の素晴らしさは国境を超える、
 
それを証明するために各国の方々を招待したとのこと。
 
そこまでは良いものの、
山岡が今回の勝負に勝てない場合は
東西新聞に自分の無能さを寄稿するという
無茶ぶりを勝手にルール追加します。
 
もはや海原雄山のオンステージ、いつもの雄山ペースです。
 
そして有無も言わさず料理が始まります。

まずは突き出し三種盛り合わせ
 ・キスの梅肉焼き
 ・むかごのウニ焼き
 ・からすみ

これ以上ない出来です。
ただただ口に運ぶことしかできない
料理の純粋さにただ受け入れて食べるしかない。
 
それしかコメントのない東西新聞社メンバー一行。

次にイワシで卵の黄身を包んだイワシの茶巾寿司 
 
これにも何一つコメントはつけようのない出来。
 
続いて吸い物 つぶしエビの吸い物。
このまま行ってしまうのか・・・・

次の品はカツオの刺身をショウガ醤油で食す

ここでついに山岡は口を開きます。
 


出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻4話より
 

漁師の強い味方 マヨネーズ

そしてカツオにマヨネーズをつけ食べだす山岡。

ほかの客にもそれを促す。
すると、各国の来賓も絶賛するマヨネーズ。

さすが全世界で愛されるマヨネーズの包容力よ、
と言わんばかりですが

自信が呼んだ客に対して
舌も頭もどうかしてしまったのか、と狼狽する海原雄山。
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻4話より
 
そういいながら自身の舌を試すように
マヨネーズ醤油でカツオを食らう雄山。

さすがは雄山、
何が好きって自分の舌だけは絶対にごまかせない。
 
うまいと感じたものは
絶対にまずいと言わない美食家の鑑です。
 
山岡はこの結果にマヨネーズの意図を説きます。

もともとは遠洋漁業に出る漁師たちで流行った調理法で、

毎日カツオの刺身ばかりで飽きがきたところに
 
マヨネーズで味の変化を加えたのが歴史の始まりだと。

しかし海原雄山はこんなものは料理とは認めない。
 
そもそも日本料理のマヨネーズはない、
邪道料理だと吠えます。

山岡はお前も同じことを
ル・キャナルでしたことを忘れたのかと煽り返します。
 

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻4話より

こ、この海原雄山に説教をするのか・・・・

我慢できなくなった海原雄山 
自分が招いた客に当たるしかなくなり?
その場を後にしました。

山岡、立て続けに海原雄山相手に2連勝をかまします。