美味しんぼを読んでみたいけど
「巻数が多すぎて読むのに時間がかかりすぎる」と
お悩みの方は多いのではないでしょうか。
そんな令和な人におすすめなのが、
本ブログの美味しんぼまとめです。
各回のまとめを覚えれば時間短縮はもちろん、
日常生活でするりと美味しんぼの名言を
活用することが可能になります。
もっと効率よく美味しんぼから蘊蓄を吸収したい方や、
大昔に美味しんぼを読んで記憶を取り戻したい方は
ぜひ参考にしてください。
要点は抑えましたね、さあ行きましょう。
物語冒頭
如何にも昭和大企業らしくていいですね、
うちの会社はコンプライアンスが厳しく、
昨今では接待も事前審査制になりました。
時代ですねえ・・・。
今回、アフリカの飢餓を救うという
何十年も世界中が擦り続けてるキャンペーンの寄付金を
石油会社の社長へ寄付金を直談判しに伺います。
そんな大役を新入社員の栗田を同行するとは…
これも仕事です。いってみましょう。
本社に伺うと、
栗田はとても日本を代表する企業の本社とは思えない
出で立ちに驚愕します。
谷村部長はこれが社長成沢の経営方針だという。
社屋の大きさは売り上げ増大に貢献せず、
という質素倹約思想です。
ガタの来た社屋に進む谷村部長と栗田。
掃除をしている用務員と思しき男に社長を尋ねると、
なんと社長本人というベタベタな登場です。
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻6話より
倹約とは美徳である
社長室にまぬかれる二人。
しかしそこは社長室とは思えぬ様相を呈していました。
家具は全て粗大ごみから拾ってきたようにボロボロ、
そして3人も入ればいっぱいになるであろう
極小ワンルーム。
栗田は心の中で本心をぶちまけます。
さっそく商談に入る谷村部長
話が早い、とばかりに成沢社長 接待を要求します。
うーん、わかりやすい金持ち
栗田の顔 これで営業が務まるのかと不安になります。
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻6話より
得意先の社長室で愛想笑いもできない新入社員
接待・接待・接待
この話を聞いて大原社主は、
接待で寄付金が出るなら安いものと了承します。
場所は変わって高級料亭 新川へ。
社主自ら接待に出向き、
よいしょよいしょと成沢社長を接待してみせます。
しかし成沢社長には逆効果でした。
料理に口すらつけず激怒する成沢社長。
社長は何をするにも無駄な金が動いているのが許せない。
今回の真の目的がアフリカの貧困を救済するためなら、
なぜ今日の接待の費用を
アフリカへ送金しないんだと激怒します。
あまりに筋の通った成沢社長の喝に東西新聞社1同
なにも言い返すことができず、
会合は終了し寄付金も失敗に終わりました。
山岡は一人、成沢社長の行動に一本筋が通っている。
他人の金であってもムダ金は許せないという人間性に
根性が座っていると評します。
そんな成沢社長を満足させてやりたい・・・
山岡のおせっかいが発動します。
タダという贅沢
思いつきました。
再度、成沢社長に連絡し、
寄付金のお詫びに食事だけでもと招待します。
渋々承諾した成沢社長、
しかし今回の接待は一味違いました。
なんとあの辰さんが先導するというのです。
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻6話より
まずは食前酒だ、と試飲の白ワインからいきます。
辰さんの言葉が清々しい
何を遠慮してんだよ、タダなんだぜ、タダ。
令和の倫理観が崩壊する さあ、オードブルに行くぜ!
まずは酒の肴に、と高級珍味を練り歩きます。
これもタダだからな、
という辰さんの言葉に楽しくなってきた成沢社長。
酒が欲しくなり日本酒コーナーへ。
しかし選んだ酒にダメ出しを食らってしまいます。
大企業の社長がホームレスにダメ出しを食らう構図です。
そんなこんなでデパートの試食だけで
腹を一杯にさせた一同、
成沢社長はこんな接待の仕方は初めてだ、と喜びのご様子。
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻6話より
接待自体は成功し、寄付金も頂戴できた一同。
しかし、今回の話の肝は最後の成沢社長の一言に
あると思います。
「こんなにうまいものがふんだんにあってさ、
日本人は贅沢すぎるよな、
バチが当たっちまうぞ、今に・・・」
最後の成沢社長の罪滅ぼしにもならないが、
の言葉が意味深です。
初回の接待をぶち壊しにしたことではなく、
資本主義社会への批判と捉えられます。
飽食の時代と言われた日本、
当時はバブル全盛の中ここから
令和の日本は失われた30年といわれ現在進行形で
衰退していると言われています。
確かにほかの先進国と比較して衰退している現実は
否定できないかもしれませんが、
それでもまだまだ経済大国。豊かな国だと思います。
成沢社長は昭和のこの時代から、
資本主義に対して警鐘を鳴らしていたのかもしれません。