美味しんぼを読んでみたいけど
「巻数が多すぎて読むのに時間がかかりすぎる」と
お悩みの方は多いのではないでしょうか。
そんな令和な人におすすめなのが、
本ブログの美味しんぼまとめです。
各回のまとめを覚えれば時間短縮はもちろん、
日常生活でするりと美味しんぼの名言を
活用することが可能になります。
もっと効率よく美味しんぼから蘊蓄を吸収したい方や、
大昔に美味しんぼを読んで記憶を取り戻したい方は
ぜひ参考にしてください。
要点は抑えましたね、さあ行きましょう。
物語冒頭
今回、東西新聞と懇意にしている運輸会社の鶴森社長から、
ぜひ食事を招待したいというところから話は始まります。
しかしどうやら招待されたには訳がありました。
鶴森社長は成金の粋を尽くしたような社長。
満を持して渾身の純金の鍋を披露します。
金は金属の中でも特に安定した素材であり、
最良の素材と考えられています。
ただ、金を調理器具にするとなると相応の値段になるため、
一般的でないことはみなさんの想像に及ぶところでしょう。
しかし、ここにその新境地へ挑む男がいました。
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻3話より
実にいい気持ちだ、
現実で死ぬまでに使ってみたいワードセンス
全ては自分の権威を示すため、
大名でも何でも
純金の鍋で鍋料理に興じた大名がいるなら出てこい。
実にいい気持ちだ!と
見ているこちらまで気持ちいいくらいまでの
成金ムーブを炸裂させます。
が、しかし今日の食事会はさらに先がありました。
なんとこの成金 鶴森社長、
薄々純金鍋になにか疑問を感じていた模様、
究極のメニューを担当する食に精通したメンバーなら
この疑問も解消してくれるはず。
その一心でこのモヤモヤの正体の解決に吐露します。
山岡、成金社長を既に見透かしていました。
むしろ成金から羽化するチャンスだと煽り散らします。
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻3話より
久々の山岡問答が炸裂します。
明日、またこの部屋を抑えておいてください
あなたの疑問を解消して差し上げましょう。
この時点で既に術中の領域にいる鶴森社長、
返す刀で明日の部屋を予約したことでしょう。
土鍋の真価
山岡と栗田はその足で東京は
上野のすっぽん料理屋へ赴きます。
お決まりの展開、
店主が山岡と懇意の条件が成立します。
このパターンは現状勝率100%
安心してみていられます。
山岡は純金鍋に打ち勝つ唯一の鍋
それはすっぽん料理屋の日常使いで鍛え上げられた
30年物の土鍋を借り受けます。
純金鍋に相対するのはまさかの土鍋・・・。
その鍋をもって翌日、
鶴森社長を納得させる料理をもてなすことになります。
水と醤油で炊いただけの雑炊
食通たちを唸らせるには十分な説得力がありました。
なんと土鍋には30年間で積み重ねたすっぽんの出汁がしみ込んでおり
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻3話より
料理とは人間と調理器具の創造
この話、実は冒頭にお話しした、
所さんの目がテンで検証された過去があります。
当時の検証では
確かにすっぽんのうまみは出汁として出ている。
人間のみが味わえるものだ、
特別な人たちだったんですね、という話で
締めくくられたのを覚えています。
(確か20年以上前・・・)
これは料理に限らず人間にも言われることで、
言えることですが、
味わいが決まります。
ここでも同じことが言えます。
たどり着く境地、
山岡は伝えます。
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻3話より
この回のいいところは鶴森社長の人を見る目です。
やはりこのレベルの成金社長にともなると、
意見するような部下はいないのでしょう。
そこに事実をベースにして本質を問う山岡、
本来であれば自分の年の半分程度の若造、
となるところですが、最後は山岡のいわんとする
純金では出せない料理人と鍋の熟成、
つまり時間がなければたどり着けない領域があることを
理解し、もう1段階人間を成長させてくれたことに
感謝します。
これこそ器の大きな男を学べる回と私は思います。