漫画レビュー

【美味しんぼ】炭火の魔力

美味しんぼを読んでみたいけど
「巻数が多すぎて読むのに時間がかかりすぎる」と
お悩みの方は多いのではないでしょうか。

そんな令和な人におすすめなのが、
本ブログの美味しんぼまとめです。

各回のまとめを覚えれば時間短縮はもちろん、
日常生活でするりと美味しんぼの名言を
活用することが可能になります。
もっと効率よく美味しんぼから蘊蓄を吸収したい方や、
大昔に美味しんぼを読んで記憶を取り戻したい方は
ぜひ参考にしてください。



今日覚えたい美味しんぼ

ガスで焼いた鰻は鰻ではないこと

活きの良い鰻の腹は
緑がかった青であること

鰻屋は煙を食わせること

要点は抑えましたね、さあ行きましょう。

物語冒頭

銀座に泥酔した男がショーウィンドウを叩き割っている

とんでもない通報を警察は受けます。

まさかの美味しんぼ始まって以来のサスペンス回です。

男の理由はわかりませんが、
異常事態であることは確かです。
 
やっときた警察を見るや
否や抜き身の刃物を懐からだし応戦します。
 
もはや実刑は免れない、
その瞬間 鬼の中松が現れ容疑者を組み伏せます。
 
男はそのまま意識を失い、
中松警部の「鰻裂きじゃねえか・・・」
という謎の言葉でオープニングは幕を開けます。

もはや海外ドラマの導入冒頭です。
 
  
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻1話より


取調室に場面は変わり、
なぜかそこには鬼の中松警部 そして山岡と栗田でした。

果たして一般人が取調室に入ることは可能なのか
やはり中松警部の内部権力は相当なものが伺えます。

数々の冤罪事件もこの男の疑いすらあります。

話戻って男の名前は金三。
老舗鰻の名店 筏屋の職人でした。

話を聞くと代替わりにより鰻のことがわからない
若手敏腕社長が構造改革を打ち出し、
これまでの伝統を打ち破る施策に我慢がならなくなり、
浴びるように酒を飲んでいたというもの。

なにより許せなかったのが、
炭火をコストカットでガスに変えるという
方針にだけは我慢できず、
今回の凶行に及んだと言います。

ガスで焼いた鰻

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻1話より
飛べない豚はただの豚と言わんばかりの名言です

話を聞いた山岡、
どうやら新社長の筏屋は
板山社長のニューギンザデパートで
新店舗の出店をすることを聞きつけます。

それに対し金三が対抗で出店し、
ガス火の鰻に対抗した炭火の鰻で勝負を提案します。

鬼の中松の恐喝および強要で
かなり強引に出店を了承した金三。
出店に向け、各々準備を進めます。

ビジネスとは合理化である

場面変わって筏屋の新社長 
木元がデパートを視察し、持論を唱えます。
 
時流を読み
いつまでも鰻のかば焼きだけを売っていてもダメだ

ビジネスは合理化だと謳います。
 
戦いは数だよ、に通ずるとこありです。
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻1話より
 
金三の作る鰻のかば焼きなど眼中にもなく
せいぜいがんばれと失笑します。

そして、いよいよ出店初日です。

山岡は客引きをやるというと、
おもむろに換気扇の電源を切ります。
 
すると1組の夫婦が店にやってきて
活きた鰻を選ばせる山岡。

鰻の蘊蓄もばっちりです。
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻1話より
 
初めてのお客は鰻の味の分かる夫婦だった模様。
 
30分以上時間がかかるという山岡に対して
承知していると快諾します。

山岡はここでも鰻屋の蘊蓄を披露し、
煙で客を呼べと鼓舞します。

それにこたえる金三 
職人の眼の色が変わってきました。
 
それから10日後、
筏屋の鰻割烹と金三のウナギのかば焼き、
 
客入りは火を見るより明らかでした。

金三の鰻屋は満員御礼 
しかし筏屋は閑古鳥が鳴いていました。
 
そこに店舗視察に来た
板山社長、中松警部、そして山岡と栗田。

味を見てくれといわんばかりに筏屋の新社長木元は
重箱で鰻のかば焼きを提供しますが、
それが鬼の中松の逆鱗に触れます。

これはかば焼きではなく焼き魚だ

重箱を食した中松はこれは詐欺罪だと激高します。

身はふっくらせず中身はベショベショ、
おまけに香りはしないのに妙に脂っぽいときた。

これはかば焼きではない 
できの悪い焼き魚だと酷評します。

板山社長からも、なんだか鰻から腐った
玉ねぎのようなにおいがする・・・とまで言われます。
 
ここで山岡はさらに畳みかけます。
今日の山岡は蘊蓄製造機です。
 
原因の根本、それはガスを使ったことにあると説きます。
 

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
3巻1話より

ただの蘊蓄だけでなく
科学的になぜガスではかば焼きが作れないのかを
説明して見せます。

今回の冒頭で金三がガスで焼いた鰻は鰻ではない、
といっていた伏線が回収されます。

社長に対して実際の味で今回の構造改革が
誤りであったことを理解する木元。

最後は金三と関係を戻し、
ハッピーエンドとなり店の再建を誓います。