漫画レビュー

【美味しんぼ】思い出のメニュー

美味しんぼを読んでみたいけど
「巻数が多すぎて読むのに時間がかかりすぎる」と
お悩みの方は多いのではないでしょうか。

そんな令和な人におすすめなのが、
本ブログの美味しんぼまとめです。

各回のまとめを覚えれば時間短縮はもちろん、
日常生活でするりと美味しんぼの名言を
活用することが可能になります。
もっと効率よく美味しんぼから蘊蓄を吸収したい方や、
大昔に美味しんぼを読んで記憶を取り戻したい方は
ぜひ参考にしてください。


今日覚えたい美味しんぼ

レバーソーセージが
苦手の日本人は多いこと

ドイツ料理はフレンチに比べ
繊細な味付けが多いこと

思い出のメニューは
再開の約束であること

要点は抑えましたね、さあ行きましょう。

物語冒頭

今回は西ドイツから豪華客船が
横浜に寄港するところから話は始まります。

その客船の主催が晩餐会を開くということで
東西新聞社は招待状をいただきます。

西ドイツの味を体得すべく、
山岡そして栗田が馳せ参じます。

栗田は初めてのドイツ料理。
直近はフランス料理回が続きバターと生クリーム料理に
浸かっていた中、ドイツ料理は繊細な味付けだと
初めての料理に驚きます。

山岡はドイツ料理を素材本来の味を素直に出す調理だ、
日本人に好感の持てる味だと評します。
ちなみに私はこれを鵜呑みにして
人生初の海外旅行はドイツでした。

多様な料理に舌鼓を打つ中、
なんと今日のメインシェフはドイツ人でなく
 
日本人であることがわかります。シェフの名は寺杉。
 
山岡もシェフ寺杉の腕前を絶賛します。
が、ただでは絶賛しないこの男、
ソーセージの薀蓄を披露しつつ、
ザワークラウトの相性としては
フランクフルトソーセージより、
レバーソーセージのほうが良いのでは、と言及します。
 
それを聞いた寺杉シェフ、話の分かる男が来たと、
決して怒ることなくまた明日来てくれ、
あなた好みのソーセージを用意しますと返します。

なんとこれまで山岡の伝家の宝刀と思われていた刀を
ここまで友和的に使うものが現れるとは。
  
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
2巻6話より

山岡もそれはすごい、ぜひと回答し
また伺うことを約束します。

しかしこの寺杉シェフ、
実は過去に暗い影を持つ男でした。
山岡をドイツ料理の味の分かる男と思うと、
いてもたってもいられず船を後にする山岡を
引き留め、あることを懇願します。

その願いとは
今晩、あるドイツ料理屋で食事をとって
その感想を聞かせてほしいということでした。

寺杉は過去を打ち明けます。
若かりし頃、ドイツレストランで働き始め
その主人に認められ、若くしてその店の
料理長にまで上り詰めたことを。

そして主人の娘、ザビーネという娘と
恋仲になり結婚を誓っていたことを吐露します。

しかし順風満帆に思えた寺杉、
その男の過去は両親を早くに無くし、
殺人以外はなんでもやったといわんばかりの悪童で
少年刑務所を行き来するような男でした。

人生をやり直し、
これからというところにその当時の仲間である
益田という男が訪ねてきて無心を図ります。

今の生活を壊さんとばかりに
無心に応じつづけた寺杉ですがついに資産も底をつき、
ついには殴り合いの末、酔った益田はもみ合いのなか
床に頭を打って殺してしまうという事件が起きます。

その罪を償うべく、
これまでの生活をすべて捨て刑務所で
実刑10年を受けた寺杉。

唯一の心残りは、
ドイツ料理の道に導いてくれた師匠家族と
その娘ザビーネのことでした。

出所後は会いに行くこともできず、
ドイツ料理の世界に戻りそのままドイツへ修行に・・・。

ようやく日本へ客船で帰ってきたというのです。
それを聞いた山岡と栗田は寺杉の言うドイツ料理屋に
お忍びで視察に向かいます。

寺杉はレストランの様子と、
メニューを控えてもらうよう依頼します。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
2巻6話より

師匠は亡くなり婚約者は疲弊していた

山岡と栗田が来店した感触としては、
味悪くないが店の雰囲気、活気がないというものでした。

そして師匠の主人と奥さんは既に亡くなっており、
ザビーネが一人で店を切り盛りしているということも
判明します。

栗田は、
ザビーネが10年以上一人で切り盛りしている姿から、
一途に寺杉を待っているのでは、と推測します。

しかしメモ書きされたメニューから、
ザビーネの大好物で自分が作り方を教えた
マッシュループのスープと
ジャガイモのパンケーキが載っていないことから、
自分のことを思い出したくないがために
メニューに載せていないんだと脱力します。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
2巻6話より

それを聞いた山岡、ついに動きます。

東西新聞社の企画でドイツ料理の特集をしたいと、
ザビーネの店で写真撮影を依頼します。

10年越しの再開 そして・・・

ザビーネは恥ずかしながらも快諾し調理を始めます。

花を添えたいという理由で山岡も何やら料理を始めます。

そんな中、取材中の店の扉が突然開き、
ついに寺杉が十数年の時を経てザビーネに再開します。

おそらく山岡はなんらかの形で寺杉を誘ったのでしょう。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
2巻6話より

取材はどこへいったのか、
みんな席に着くよう山岡は促します。

そして山岡が裏で作っていた料理は
ジャガイモのパンケーキとマッシュルームのスープ、
そう、寺杉から聞いていた思い出の料理でした。

思い出の料理を口に入れたザビーネ、
勢いよく席を立ち何かを作り始めます。

思い出のメニューは二人のパズルのピース

そう、その料理とは
メニューにないジャガイモのパンケーキと
マッシュルームのスープでした。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
2巻6話より

寺杉は一口食べ、感嘆の表情。
自分の料理と全く同じ味だ・・・。

山岡の提供したものとは申し訳ないが
比べ物にならないと伝えます。

それもそのはず、
ザビーネが最後を締めくくります。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
2巻6話より

寺杉のこの顔よ・・・・。

美味しんぼの人情話は令和の今見ても大好きです。