漫画レビュー

【美味しんぼ】そばツユの深味

美味しんぼを読んでみたいけど
「巻数が多すぎて読むのに時間がかかりすぎる」と
お悩みの方は多いのではないでしょうか。

そんな令和な人におすすめなのが、
本ブログの美味しんぼまとめです。

各回のまとめを覚えれば時間短縮はもちろん、
日常生活でするりと美味しんぼの名言を
活用することが可能になります。
もっと効率よく美味しんぼから蘊蓄を吸収したい方や、
大昔に美味しんぼを読んで記憶を取り戻したい方は
ぜひ参考にしてください。


今日覚えたい美味しんぼ

屋台の無許可営業をしてはいけないこと

警部にもなれば
自己裁量で犯罪を免除できること

店の味を模倣すると窃盗罪になること

要点は抑えましたね、さあ行きましょう。

物語冒頭

今回は美味しんぼ準レギュラーになる
鬼の中松警部が初登場する回となります。

夜の街を歩く山岡と栗田。
そこで珍しい蕎麦の屋台を発見し、
後学までにと屋台の暖簾をくぐります。
 
店主はそば好きが高じて屋台やり始めたという。
 
蕎麦をその場で茹でて最後に井戸水で締めた
もりそばを提供する本格派だ。

そばも国産のそば粉100%を謳う店主の自信作。

しかし山岡はもりそばの評価をこう下す。
  
出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
2巻3話より

そばツユの出来を批判され激高する主人。

その騒ぎを聞きつけたのか、
見回りの警察官が屋台許可証を見せるように促されます。

しかしこのそば屋台、申請中でまだ許可の下りていない、
いわゆる無許可営業屋台であることが発覚します。

無許可であるため警察官に囲まれる店主 

しかしそこに大柄な男が参上します。

登場 鬼の中松

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
2巻3話より

蕎麦を見るや否や、
もりそばを一つ作ってみろ、と注文します。

この男 警察官の間では有名な鬼の中松警部でした。

中松はもりそばの出来が良ければ
今日は見逃してやる、と令和ではありえない
職権乱用を約束します。

そしてそばを勢いよく平らげ、
山岡と同じことを告げます。

そばはいい、まあ及第点をやれる・・・
だがツユがな・・・

中松は続けます。そばとツユのつり合いが取れてない 

そば粉の強さにツユが追随できていない 
ツユの味が弱すぎる
これでは落第だと叩きのめします。

しかし男、中松はこの店主のそばを屋台で出そうという
気概が気に入り、1か月後にまた味を見に来る 
それまでに改良できてなければ許可証は取り下げ、
という条件を加えます。
更にこの一か月の間は、
中松の一存で営業はしてもいいという大盤振る舞いです。

この男 本当は警部じゃなくて大名か何かじゃないのかと
思えるくらい法律無視の対応です。
これが昭和のなせる人情なのか・・・

乗りかかった船なのか 
山岡は度々味見に伺いアドバイスを送ります。

このそばのウリは味と香りの強さだ 

それに見合う強いツユでないと味が合致しない。
そのことは店主もよくわかっていました。

 出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
2巻3話より

そんな中、苦悩する店主の屋台に一人の男性が現れ、
そばを食べるや否や、
私の探していたツユがここにあったとつぶやきます。

その男性は名刺をだし東京で一番のそばの名店 
藪の主人であることを告げます。

そばの名店 藪蕎麦の主人現る

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
2巻3話より

藪の主人は薄口のそばつゆ改良を課題と感じており、
この屋台のツユの味を教えてほしいと頼まれます。

日本1の蕎麦屋の主人からそばツユの味を教えてほしい 
こんな光栄な話があるのだろうか 

しかも交換条件に
藪そばのツユの作り方を教えてくれると言い

一行は藪の厨房にて、
濃い味付けのツユ作りの秘密を伝授いただくことに
なります。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
2巻3話より

あの名店の藪のツユの秘密が今白日の下に・・・・

さすがにここまでできすぎ・・・話がうますぎる・・・

と、ここでネタばらし
ようやく屋台の主人は自分がハメられていることに
気づきます。

そう、すべて山岡が仕組んだものでした。

山岡のコネクションを使い藪蕎麦の主人と一芝居打ち、

図らずとも藪蕎麦の力強いそばツユのレシピを
伝授したのです。

恐るべきは山岡 
なぜ藪蕎麦の主人と知り合いなのか・・・。

中松 窃盗の現行犯を不問とする

屋台の主人は自分のようなそば好きが高じただけの素人に
ここまでの人間が協力してくれる。

その心意気に胸打たれ、
藪蕎麦のそばツユのレシピを盗み
屋台のツユとして研究することを誓います。

そして約束の1か月後、
中松警部のそばツユ審査を受けます。

中松はこのそばツユの味は藪蕎麦の味を盗んだことを
見抜きますが、見込みありと営業許可証を渡します。

出典:『美味しんぼ』
原作:雁屋哲・作画:花咲アキラ
2巻3話より

言い方は乱暴ですが、
屋台の主人ならこの課題を解決できると踏んで
もともと渡すつもりで許可証を持ってきたと思うと
中松警部の人情深さがよくわかる話と思います。

まぁ、法律は無視 
職権乱用の事実は変わらないんですけどね。